第一興商

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株式会社第一興商(だいいちこうしょう、DAIICHIKOSHO CO., LTD.)は、業務用カラオケ・コンテンツ関連企業を自称している。業務用通信カラオケならびにカラオケボックス事業では自称業界最大手。通信カラオケシステムDAMを開発・運用する。また直営カラオケボックス「ビッグエコー」などの店舗を運営する。衛星放送事業にも参入しており、レコード会社子会社として傘下に収めているとされているが人様に認められるような実績があるかどうかは不透明。

社是は「もっと犯罪を世に、もっと反社を世に」。

沿革[編集]

事業内容[編集]

業務用カラオケ事業[編集]

通信カラオケDAM
業務用通信カラオケ機器。シェアは業界最多。
デンモク
検索が可能なタッチパネル式のリモコン。
DAMステーション
ブロードバンド情報端末「DAMステーション」を利用した、会員制コンテンツサービス「club DAM MEMBERSHIP」の展開。

Web配信事業[編集]

karaoke@dam
通信カラオケDAMが自宅で練習できるインターネットカラオケサービス。
clubDAM.com
通信カラオケDAMなどの音楽情報、音楽ダウンロード、CD・DVDの販売など。SNSDAM★とも」なども含まれる。
着信メロディ配信サイト
メロダム - 着信メロディ配信サイト。
ボイスDAM - 着信ボイス配信サイト。
SAL洋楽マニア - 洋楽専門着信メロディ配信サイト。

カラオケ・飲食店事業[編集]

ビッグエコー[編集]

第一興商が展開するカラオケボックスチェーン店。同社のカラオケ事業のメインブランドである。機種は全てDAMシリーズで統一されている。

料金体系は各店舗により異なる。一部店舗ではヒトカラ利用に対して割増料金を適用している。各店舗の詳細は公式サイト「店舗一覧」より参照のこと。

学生割引シニア割引(60歳以上)のほか、提携割引制度があり、各種クレジットカードや会員証などの提示による割引、運転経歴証明書提示による免許返納者への割引などがある。詳細は公式サイト「提携ご優待サービス」を参照のこと。

2019年9月1日より、ビッグエコー全店で障害者割引サービスを開始した[18]障害者手帳身体障害者手帳療育手帳精神障害者保健福祉手帳)の提示により、本人および同一グループ全員の室料が半額となる(会員料金、学生割引、シニア割引、フリータイム料金と併用可能)[19]。障害者割引サービスはジャンカラ[24]カラオケ館[25] などでも導入しているが、割引率を大きくし割引適用人数も限定せず[19]、同業他社との差別化を図っている。詳細は公式サイト「障害者手帳ご優待割引」を参照のこと。

店舗数は、2014年初頭にそれまで店舗数1位だった「カラオケ本舗 まねきねこ」を抜いて以降、日本最大となっている[26]。第一興商は1990年代のカラオケボックス黎明期にも店舗数1位であったため、約20年ぶりの首位奪還となる。2016年9月には経営難に陥っていたシダックス・コミュニティーから、閉店した一部店舗を譲受した[27]

ビッグエコーでは、「club DAM MEMBERSHIP」の会員IDと電子マネー「楽天Edy」を一体化した会員証「BIG ECHO club DAM MEMBERSHIPカード」を発行している。発行手数料540円・年会費無料。直営・FC店問わず受付時に申込むと即時発行され、発行当日の利用から室料が20%割引となる。club DAM MEMBERSHIPへの登録完了には発行から2〜3週間かかるが、完了前でもほとんどのコンテンツを利用可能。また、クレジットカード機能付の「BIG ECHO club DAM MEMBERSHIPオリコカード」もある(以前はソニーファイナンスインターナショナルとも提携していたが解消した)。

ポイントサービス「BIG ECHOポイント」もあり、利用料金(室料+フード・ドリンク代金)100円毎に1ポイントが加算される。貯まったポイントに応じて利用料金の値引サービス(100〜2000ポイントで100ポイント単位で使用可・1ポイント5円で最大10000円)や、カタログギフトサービス(2011年3月1日開始、600・900・1200ポイントの3コースから申込可)が受けられる。

電子マネー機能付会員証としてはセブン-イレブンの「nanaco」や、ファミリーマート(旧・サークルKサンクス)の「+K Edy-楽天ポイントカード」と基本的に同じだが、こちらはビッグエコーでの支払いに本カード内蔵Edy以外の決済方法(現金・クレジットカード・おサイフケータイなど)を用いてもポイントが加算される。全日空マイレージサービスANAマイレージクラブ」の「Edyマイルプラス」にも参加しており、本カードを提示してANAマイレージクラブカード内蔵(2017年7月4日以降は発行不可)もしくはモバイルAMCアプリを登録したおサイフケータイのEdyで支払うと、BIG ECHOポイントと同時に200円毎に2マイルが加算される[28]

かつては「来店回数ポイント(10回来店ごとに来店回数の2倍のポイントを加算・最大200ポイント)」および「誕生日ポイント(利用料金に応じたポイントが誕生日当日は通常の3倍、誕生月内は2倍加算・2倍加算は月内であれば何度でも可)」という2種類のボーナスポイントがあった一方で、利用料金の割引は5段階のみであった(200P→600円・500P→2000円・1000P→5000円・1500P→10000円・2000P→14000円)。しかし2010年7月1日付でポイント制度が改定され、先述の割引サービス変更とともにボーナスポイントは廃止された。また、かつては会員証を忘れた場合でも本人確認と会員データベース照会によって会員登録が確認できた場合にはポイント加算・値引サービスが受けられたが、制度改定によってできなくなった(室料20%割引は受けられる)。

2020年、コロナ対応としてテレワークサービスをカラオケとは別体系の料金で、全国500店舗で行っている。

カラオケCLUB DAM[編集]

カラオケCLUB DAMはビッグエコーの姉妹店という位置づけであるが、店舗数は少ない。またポイントサービスや割引サービスなどの内容も、ビッグエコーとは一部異なる。

メガビッグ・メガカラ・ソロカラ [編集]

第一興商の直営店で2020年8月より運営。低価格に設定された店舗で近畿地方と東海地方において展開される。もともとはビッグエコーとして開店する予定であったが特に若年層向けに展開される。3店舗同時開店しいずれも元ジャンカラ跡地に開店した。同10月より2店舗が開店で1店舗はビッグエコーからの転換店舗でもう1店舗は元ジャンカラ跡地に開店した。10月以降開店の店舗は看板がメガカラとなっている。11月には競合するジャンカラ店舗および公式サイトにて注意書きがなされる事態になった。その後ライオンをモチーフにしたキャラクターの導入した。

ファイル:醬辛目我大.jpg
ジャンカラ店舗による類似店メガビッグについての注意書き

バナナクラブ&ビッグエコー[編集]

四国一円で展開するカラオケボックスのチェーン店。18店舗。

2015年4月までは子会社であった株式会社アドバンおよび有限会社ゴールドが運営していたが、同年5月に2社共第一興商本体に吸収合併されたのに伴い、第一興商直営となった。もともとは「カラオケ バナナクラブ」として営業しており、DAMのほか、エクシングJOYSOUNDの機種も導入されていたが、第一興商グループ入り後にDAMの機種に統一された。

かつては「バナナクラブ ポイントカード」があり、利用料金200円毎に1ポイントが加算され、貯まったポイントは1ポイントにつき1円で割引が可能となっていたが、2015年3月末をもってサービス終了となり、全国のビッグエコーとの共通のメンバーズカードが2014年12月より導入された[29]

カラオケマック[編集]

子会社である株式会社Airsideが運営するカラオケボックスのチェーン店[12]

岩手・宮城・東京・埼玉・千葉・神奈川・栃木・静岡・大阪・兵庫の10都府県で展開。第一興商グループ入り以前はDAMのほか、エクシングのJOYSOUNDの機種も導入されていたが、第一興商グループ入り後にDAMの機種に統一されている。第一興商直営店にはない、タクシー運転代行・近隣駐車場の代金割引サービスや、ブルーレイプレイヤーの貸出も行っている。

飲食店[編集]

その他、飲食店舗として

  • 花咲酒蔵 ウメ子の家
  • 和洋創菜 びすとろ家
  • 本格炙り 海と大地 楽蔵

などの店舗ブランドを展開している[30]

衛星放送事業[編集]

STAR digio
スカパー! Ch.400 - 499
100チャンネルの超短波放送チャンネル(CSデジタル音声放送)。コミュニティFMラジオ放送局の一部でもこの放送を取り上げているところがある。かつてはInterFMSHIBUYA-FMの再送信を行っていた。
STAR☆DAM
法人や店舗等向けに、スカパー!の一部チャンネルをパッケージ化したサービス。店舗等でのBGM/BGVとしての利用を想定し、JASRACとのBGM契約等がパッケージ化されている。

音楽ソフト事業[編集]

レコード会社
日本クラウン徳間ジャパンコミュニケーションズ。詳細は当該記事を参照。

パーキングビジネス事業[編集]

ザ・パーク
コインパーキング「ザ・パーク」の展開

過去に行っていた事業[編集]

衛星放送事業[編集]

第一興商スターカラオケ
スカパー! Ch.267
カラオケチャンネル。
2012年3月31日に終了した。
安らぎの音楽と風景/エコミュージックTV
スカパー! Ch.268
“癒し”をテーマとした音楽・環境映像チャンネル。
2012年3月31日に終了した。

グループ会社[編集]

国内販売子会社[編集]

  • 株式会社北海道第一興商
  • 株式会社東北海道第一興商
  • 株式会社北東北第一興商
  • 株式会社東北第一興商
  • 株式会社常磐第一興商
  • 株式会社群馬第一興商
  • 株式会社栃木第一興商
  • 株式会社埼玉第一興商
  • 株式会社東東京第一興商
  • 株式会社台東第一興商
  • 株式会社城西第一興商
  • 株式会社湘南第一興商
  • 株式会社新潟第一興商
  • 株式会社長野第一興商
  • 株式会社静岡第一興商
  • 株式会社東海第一興商
  • 株式会社北陸第一興商
  • 株式会社京都第一興商
  • 株式会社第一興商近畿
  • 株式会社京阪第一興商
  • 株式会社兵庫第一興商
  • 株式会社九州第一興商
  • 株式会社沖縄第一興商

音楽ソフト製作・販売会社[編集]

その他国内子会社[編集]

  • 株式会社ディーケーファイナンス
  • 株式会社Airside
  • 株式会社ザ・パーク
  • 株式会社ネクスト50

海外子会社[編集]

  • 株式会社韓国第一興商
  • 第一興商(上海)電子有限公司
  • 第一興商電子貿易(上海)電子有限公司

提供番組[編集]

専属楽曲独占使用疑惑[編集]

1992年、エクシングの業務用通信カラオケシステムJOYSOUND(JS-1)が発売された。CDLDを使ったカラオケシステムよりも新曲を迅速に入荷可能でなおかつ低コストで運用出来ることから、業務用カラオケシステムの主流は通信カラオケに移ろうとしていた。そして第一興商も通信カラオケシステム「DAM」の開発に乗り出すが、完成・発売までには時間がかかり、その間に顧客がJOYSOUNDに流れるのではないかという懸念があった。

そこで、居酒屋パブスナックといった「ナイト市場」において歌われる事の多い「専属楽曲」の重要性に着目した第一興商は、専属楽曲のJOYSOUNDへの配信を食い止めるべく、専属楽曲を保有する大手レコード会社8社に対してJOYSOUNDを運用するエクシングへの専属楽曲開放承認を1〜3年程度遅らせるよう要請、レコード会社側もそれに応じた。その結果エクシングに対して専属楽曲の開放が承認され始めたのは、1994年4月の初代DAM「DAM-6400」発売から1年以上経った1995年7月からで、全曲開放には1997年1月までかかった。その間にナイト市場ではDAMやBeMAX'S(パイオニア日光堂東映ビデオ)など専属楽曲を制限なく歌える機種が広く普及し、専属楽曲の開放が遅れたJOYSOUNDは事実上ナイト市場から締め出された。こうしてJOYSOUNDは1997年、発売以来堅持してきた業界シェア首位の座をDAMに明け渡した。その後カラオケボックスなどの「デイ市場」も制したDAMは、1997年から現在まで一度も陥落することなく業界シェア首位を堅持している。

2001年、第一興商はレコード会社2社(日本クラウン・徳間ジャパン)を立て続けに子会社化した。当時第一興商は、エクシング及びブラザー工業(エクシングの親会社)と特許侵害をめぐって係争中で、11月にエクシング・ブラザー側から和解案が示された。しかし第一興商側は和解案を拒否した。

第一興商はエクシングに対し、日本クラウン及び徳間ジャパンが保有する専属楽曲計67曲の開放を2001年12月中で打ち切ると通告(契約更新拒否)。その後、第一興商の子会社・販売会社等の営業担当者をJOYSOUND設置店に出向かわせて、開放打ち切りとなる専属楽曲を設置されているJOYSOUND機器で実際に演奏し、「これらの楽曲は非許諾のもので違反であり、今後演奏できなくなる」と説明しDAMへの設置替えをさせたり、卸売業者に2社の専属楽曲リストを配布して、今後エクシングにこれらの楽曲使用を一切許諾しない意向を伝えるなどしたとされる。

エクシングからの告発を受けて、2002年10月に公正取引委員会が第一興商本社へ立入検査を実施すると、第一興商は事実を否定しながらも、再びエクシングに対する2社の専属楽曲開放を承認した。なお問題の発端となった特許侵害係争は、東京地方裁判所が2002年9月27日にエクシング・ブラザー側の請求を棄却し決着している。

このような経緯を踏まえて、2003年10月31日には公正取引委員会が独占禁止法違反(不公正な取引方法)で第一興商に排除勧告を出したが、11月10日に第一興商側が不応諾すると発表したため、12月5日に公正取引委員会は審判開始決定をした[32]

2009年2月16日に審判審決が行われ、「一連の行為は独占禁止法違反(不公正な取引方法)だが、当該行為は既に無くなっており再発の恐れも認められない」として、排除命令など格別の措置を命じないことを決定。第一興商側も「主張が相当程度認められた」としてこの審決を受け入れたことで、前述2件の問題については解決したとされる[33]。しかしエクシングは2010年1月に「UGA」などを持つ業界2位のBMBを買収して同年7月に合併、また2015年4月に演歌歌謡曲等ナイト市場において歌われる曲に強みを持つテイチクエンタテインメントの全株式をJVCケンウッドより取得し子会社化するなど(とりわけナイト市場の)シェア拡大を狙っており、両社の競争状態は続いている。

脚注[編集]

  1. 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 1.19 1.20 1.21 1.22 1.23 () 会社沿革 [ arch. ] 2020-07-12
  2. 2.0 2.1 2.2 弓狩匡純 (2006) 弓狩匡純 [ 社歌 ] 文藝春秋 2006 11 4-16-368440-9 54–55
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 (2008年12月8日) 第34期決算のご報告(中間) 株式会社第一興商 2008年12月8日 6 [ arch. ] 2020-07-13
  4. 4.0 4.1 (2018-04-02) 1988年に福岡県二又瀬にビッグエコー1号店がオープンしました。 ja Twitter 2018-04-02 [ arch. ] 2020-07-12
  5. () ビッグエコー in モナコ ja [ arch. ] 2020-07-12
  6. 代表取締役およびその他の役員の異動に関するお知らせ 2009年5月25日
  7. 代表取締役およびその他の役員の異動に関するお知らせ 2009年8月31日
  8. (2010-05-14) 第一興商、埼玉のカラオケ運営会社を買収 日本経済新聞 2010-05-14 [ arch. ] 2019-04-29
  9. () ビッグエコー 公式Twitter ja Twitter [ arch. ] 2020-07-13
  10. 代表取締役およびその他の役員の異動に関するお知らせ 2011年5月23日
  11. 連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ 2015年2月6日
  12. 12.0 12.1 株式会社Airsideの株式取得(子会社化)に関するお知らせ 第一興商 2017年6月1日
  13. 子会社である株式会社Airsideの株式譲渡に関するお知らせ ガーデン 2017年6月1日
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  17. (2019-05-08) スマホ決済サービス8種類がビッグエコー全店で5月28日より利用可能に 2019-05-08 [ arch. ] 2020-07-13
  18. 18.0 18.1 (2019-08-31) ビッグエコーで障害者手帳ご優待サービス 全国の店舗で9月1日より開始 ja 2019-08-31 [ arch. ] 2020-07-13
  19. 19.0 19.1 19.2 (2019-08-20) 障害者手帳ご優待割引 2019-08-20 [ arch. ] 2020-07-13
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  24. () 店舗ご利用について - 障がい者手帳をお持ちのお客様 ja [ arch. ] 2020-07-13
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  26. () 2015年カラオケチェーン店舗数ランキング(2015年2月25日) [ arch. ] 2015-02-27
  27. 8月に閉店したシダックスさんの店舗のその後… 唯野奈津実のカラオケの世界~カラオケ評論家のカラオケポータルサイト 2016年9月27日
  28. ビッグエコー、ANAとEdyでお得!~Edyで決済ならマイルが通常の2倍(Edyマイルプラス)、さらにお得なキャンペーンを実施~ 第一興商ニュースリリース 2010年1月26日
  29. () バナナクラブ 店内設備 [ arch. ] 2015-01-07
  30. () 飲食店舗事業 [ arch. ] 2017-01-31
  31. 織田淳嗣 (2023-07-11) 織田淳嗣 のど自慢カラオケ化3カ月 SNSではいまだバンド惜しむ声 NHKは「出演者ファースト」を強調 2023-07-11 [ arch. ]
  32. *「株式会社第一興商に対する勧告について」 公正取引委員会 平成15年10月31日
  33. *「株式会社第一興商に対する審判審決について(通信カラオケ事業者による競争者に対する取引妨害)(PDFファイル)」 公正取引委員会 平成21年2月18日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]